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最大級の大きさの納経軸・百観音霊場の掛軸表装

目次
百観音霊場巡りとは
広域に広がる観音巡礼
日本には数多くの霊場巡りがありますが、その中でもひときわ壮大で、歴史的にも意味深い巡礼が百観音霊場巡りです。
百観音霊場とは
- 西国三十三観音霊場(奈良時代成立)
- 坂東三十三観音霊場(鎌倉時代成立)
- 秩父三十四観音霊場(室町時代頃成立)
この三つの観音霊場を総称したものです。
それぞれが異なる時代・地域で成立し、日本各地の信仰文化を色濃く反映した巡礼といえます。
西国 → 坂東 → 秩父、そして百観音へ
日本百観音はこうして誕生した
■西国三十三観音霊場(奈良時代)
関西を中心にできた最古の観音巡礼。日本の観音信仰の原点ともいわれています。
■坂東三十三観音霊場(鎌倉時代)
西国霊場を模して関東地方で作られました。
その全行程はなんと 約1,300キロ にも及ぶと言われる大巡礼。徒歩巡礼の時代には相当な覚悟が必要だったはずです。
■秩父三十四観音霊場(鎌倉~室町時代頃)
埼玉県秩父地方にある34か所の観音霊場。当初は33ヵ所でしたが、長野県佐久市の岩尾城跡に残る1525年(大永五年)銘の石碑に「秩父三十四番 西國三十三番 坂東三十三番」と刻まれていることから、
この頃すでに日本百観音巡礼が考案されていたことが分かっています。
日本百観音巡礼は“最難関”と言われた霊場巡り
西日本から東日本にまで及ぶ広大な巡礼路であることから、百観音は数ある巡礼の中でも最も難易度が高いとも言われてきました。
- ・距離が長大
- ・山岳地帯の札所も多い
- ・道中が険しかった時代が長い
こうした理由から完遂者は昔から決して多くはありませんでした。
しかし近年では交通網が発達したからでしょうか、百観音巡礼をされる方が再び増えており、巡礼を終えた証として納経軸を掛軸に表装したいというご依頼を弊社でも受けることが多くなってきました。
巡礼文化が静かに息を吹き返しているようでとても嬉しく感じます。
百観音霊場巡り納経軸の掛軸表装依頼
今回ご紹介するのは、そんな百観音巡礼を満行されたお客様からいただいた掛軸表装のご依頼です。
ご夫婦で弊社へお越しくださった神戸市内にお住いのお客様です。
百観音の納経軸は数ある納経軸の中でも最大級の大きさを誇り、中央の観音像を囲むように100の朱印が配置されるため、非常に迫力のある作品になります。その為、裂地選びやバランス調整には特に気を遣うプロジェクトです。
選ばれた表装裂地
お客様が選ばれたのは、弊社の仏表装パターン No.5 「蓮華本仏」。

金襴の上質な光沢と蓮華文様の気品が特徴で仏画や納経軸と大変相性の良い裂地です。
観音さまの清らかさと、巡礼を重ねて押された朱印の力強さ。その両方を優雅に引き立ててくれる裂地として、最適な選択でした。
完成した百観音納経軸
仕立て上がった掛軸は、金襴裂地の輝きが百の朱印を美しく包み込み、中央の観音像の神々しさがさらに際立つ仕上がりとなりました。
大きな納経軸だからこそ表装の良し悪しで印象が大きく変わるのですが、今回は「蓮華本仏」の荘厳さが作品全体をしっかり支えてくれています。
完成品をご覧になったご夫婦も大変喜んでくださいました。巡礼の記録がこの先も長くご自宅で輝き続けることを願っております。
百観音の納経軸を掛軸に表装されたい方へ
百観音巡礼は日本の霊場文化の中でも特に歴史が深くスケールも大きい巡礼です。その証である納経軸は表装することでいっそう価値が高まり、ご自身の大切な人生の記録として、また次の世代へと受け継がれる宝物になります。百観音をはじめ、西国・坂東・秩父などの納経軸の表装についてもどうぞお気軽に弊社へご相談ください。
