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太子町 の絵画教室から掛軸表装のご依頼 | 松竹梅、双鶴、百福図 など
太子町 の絵画教室より
弊社は書道教室や絵画教室をされている先生から生徒様の作品も含めて掛軸の表装依頼をよくお受けいたします。お付き合いが長くなると生徒様の作品の上達も感じる事が出来、表具をする立場としても非常に楽しく思います。
今回は以前にもご紹介させていただいた兵庫県の 太子町 にある絵画教室からの軸装依頼。
今回お預かりした作品は下記の3点です。
松竹梅 生花の図
同じ松竹梅でも生花になった状態で描かれると新鮮な印象を受けますね。余白が多いのも作品の画面に余韻を残していて味わい深いです。
双鶴図
こちらはかの有名な伊藤若冲の作品の模写になります。傑作の模写は画力の向上にとても有効であると偉大なる日本画の先人達もおっしゃっています。こちらも画面いっぱいに描かれた迫力の双鶴はなかなか見ごたえがあります。
百福図
こちらは根気との戦いでもある「百福図」。細かい描写の描き分けがとても大変な難易度の高い画題のひとつです。こちらも古来より多くの画家によって描かれてきました。(有名どころで言えば伊藤若冲や河鍋暁翠など)100通りの仕草を綿密に描く所が画家魂をくすぐるのかもしれませんね。
3点それぞれが見所があってとても面白い作品です。掛軸に表装させていただくのがいつも楽しみです。完成した作品がこちらになります。
松竹梅 生花の図
松竹梅でしたので表装の裂地は「寿」の書体を文様化した「寿字文様(じゅじもんよう)」の裂地と「宝尽し紋」の裂地を用いました。
双鶴図
迫力のある威風堂々とした双鶴図なので重みのある色合いの裂地で作品を引き立てるようにいたしました。
作品の中に竹と梅が配されていましたので一文字の裂地に松の裂地を使用しました。
百福図
作品の百福が非常に細かい描写なので、作品に焦点が集まるようにする為に周りの裂地には地模様の目立たない裂地を使用しました。
一文字には上一文字に「福」、下一文字に「壽」の文様が織り込まれた裂地を使用いたしました。
それぞれ細かい所にですが少しこだわりを入れてお仕立てさせていただきました。表具の中で大切な事のひとつは「細やかな配慮」ではないかと個人的には思います。主役である作品を引き立てる為に脇役である表具の細やかな演出にこそ日本人の美意識が凝縮されているのです。
太子町 の絵画教室へ納品
作品も仕上がりましたので絵画教室のある太子町へお伺いさせて頂きました。先生のご自宅の2Fを絵画教室として開放されています。
掛軸が広げられる度に歓声があがり、
「うわ~~♪ すごく良くなったね~! 裂地とも合っているし素敵!!」
と言ってもらえると本当に嬉しくなります。裂地の説明などもさせていただくとお客様の方もさらに喜んで下さいました。黒子である表具により作品が2倍にも3倍にも良く見える・・・それがこの世界の面白い所です。
そしてまた新たな作品のご依頼をお受けいたしました。今度は親鸞聖人の作品です。以前に先生が描かれていた画題に生徒様が挑戦されたようです。
またこの作品が仕上がり、次回の納品にお伺いする頃に新しい作品が出来上がっているそうなので今からまた楽しみです。
弊社は遠方の書道教室や絵画教室からの一括でのご依頼にも対応しておりますので是非ご相談下さい。
掛軸の歴史について知りたい方はこちらの動画をどうぞ