【美術ニュース】2022年人気日本美術展、2023年冬の注目日本美術展覧会 番外編

 

 

2022年人気日本美術展

2022年は様々な日本美術に関する展覧会が全国で行われました。

そんな中、読売新聞が運営している美術情報サイト『美術展ナビ』で『みんなで選んだ2022年のイチオシ美術展・展覧会トップ20』が発表されました。

 

今回はこちらにランクインした日本美術展覧会について振り返っていきたいと思います。

まず20位から11位までの全体の結果は以下の通りです。

  • 20位 「響き合う名宝 曜変・琳派のかがやき」 ( 静嘉堂文庫美術館 )
  • 19位 「イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜」 ( 三菱一号館美術館、あべのハルカス美術館)
  • 18位 「運慶 鎌倉幕府と三浦一族」 ( 横須賀美術館・神奈川県立金沢文庫 )
  • 17位 「ガブリエル・シャネル展」 ( 三菱一号館美術館 )
  • 16位 「没後50年 鏑木清方」 ( 東京国立近代美術館、京都国立近代美術館 )
  • 15位 「兵馬俑と古代中国」 ( 京都市京セラ美術館、静岡県立美術館、名古屋市博物館、上野の森美術館)
  • 14位  「日本美術をひも解く 皇室、美の玉手箱」 ( 東京藝術大学大学美術館 )
  • 13位  「展覧会 岡本太郎」 ( 大阪中之島美術館、東京都美術館 )
  • 12位 「空也上人と六波羅蜜寺」 ( 東京国立博物館 )
  • 11位 「ゴールデンカムイ展」 ( 東京ドームシティギャラリーアーモ、京都文化博物館、福岡アジア美術館 )

 

響き合う名宝 曜変・琳派のかがやき


日本美術的に注目したいのはまず20位の静嘉堂文庫の展覧会ですね。

 

今年から丸の内に移転した静嘉堂文庫美術館の体重が乗った展覧会は多くの人から支持されたようです。

私もこちらの展覧会は見に行きましたが大満足の内容でした。

主役の曜変天目ももちろんですが酒井抱一の波図屏風に魅了されてしまいました。

良かったら報告レポの動画をご参照下さい。

 

運慶 鎌倉幕府と三浦一族


次は18位の運慶展ですね。

運慶 鎌倉幕府と三浦一族

 

今年は大河ドラマの影響もあってなにかと注目が集まった運慶ですね。

私も『仏像の歴史』という動画で運慶を含む慶派について深掘りして調べたので運慶には特別な思い入れがあります。

『仏像の歴史』についての動画はこちら。

 

運慶の弟弟子の快慶の国宝についてのレポはこちら。

 

没後50年 鏑木清方


次は16位の鏑木清方展。

 

こちらは2022年上半期の日本美術展覧会の主役と言っても過言ではないでしょう。

東京と京都あわせて3月から7月まで長期にわたって行われていた展覧会です。

私も鏑木清方の生涯についての動画もまとめましたし、展覧会自身にも行ってレポ動画もまとめたので思い入れのある展覧会です。

鏑木清方の作品がなぜ今でもこれほど多くの人に愛されているのかがよくわかる秀逸な作品ばかりでした。

『鏑木清方』の生涯についての動画はこちら。

展覧会レポの動画はこちら。

 

日本美術をひも解く 皇室、美の玉手箱


次は14位の『ひも解く展』ですね。

 

なんと言っても2021年に国宝に指定された伊藤若冲の動植綵絵シリーズ30点の内、10点が展示されていた展覧会。

国宝指定後は初公開なのでこれにも併せて動植綵絵全作品解説動画も製作いたしましたのでよかったらご覧下さい。

 

 

空也上人と六波羅蜜寺


続いて12位の空也上人展ですね。

空也上人と六波羅蜜寺展

空也上人(903-972)は平安時代中期のお坊さんで、ひたすら「南無阿弥陀仏」と口で称える称名念仏を日本において記録上初めて実践したとされ、日本における浄土教・念仏信仰の先駆者と評価されています。

また、一遍上人で有名な踊念仏を一番初めに実践したお坊さんとしても有名です。

初代・南無阿弥陀仏、初代・ダンシング坊主が空也さん。

2022年はそんな空也上人の没後1050年に当たり、行われたのがこちらの展覧会。

運慶の息子・康勝が作った空也上人像を始め、様々な仏像彫刻が展示され話題を呼びました。


 

続いて10位から1位の結果は以下の通り。

  • 10位 「バンクシーって誰?」 ( グローバルゲート ガレージ名古屋、グランフロント大阪、他)
  • 9位 特別展「毒」 ( 国立科学博物館 )
  • 8位  「ベルサイユのばら展」 ( 東京シティビュー・阪急うめだ本店 )
  • 7位  特別展「宝石」 ( 国立科学博物館、名古屋市科学館 )
  • 6位  「ジブリパークとジブリ展」 ( 長野県立美術館、愛知県美術館 )
  • 5位 特別展「ポンペイ」 ( 東京国立博物館、京都市京セラ美術館、 宮城県美術館、九州国立博物館)
  • 4位 「メトロポリタン美術館展」 ( 大阪市立美術館、国立新美術館 )
  • 3位 「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」 ( 東京都美術館、北海道立近代美術館、大阪市立美術館、宮城県美術館 )
  • 2位  「国宝 東京国立博物館のすべて」 ( 東京国立博物館 )
  • 1位  「羽生結弦展2022」 ( 日本橋高島屋、富山大和、新潟伊勢丹、ジェイアール名古屋タカシマヤ、 大阪高島屋、藤崎)

 

国宝 東京国立博物館のすべて


ここでランクインしている日本美術展覧会の数は少ないですがなんと堂々の2位に今年下半期の主役展覧会である東博の『国宝展』がランクイン。

 

こちらは事前予約制だったのですがチケットが即完売状態になるというほどの空前絶後の大人気展覧会でした。

これを受けてか異例の会期1週間延長!

まさに歴史に残る伝説の展覧会でした。

こちらの展覧会については会期の半年前から予習動画を製作し、会期直前には注意事項をまとめた動画を出し、長編のレポ動画も出し、会期延長の速報ニュースも出すなど本当に2022年を通して追いかけてきた展覧会なので思い出深いです。

『国宝展』に関わる動画の再生リストは以下です。

 

色々あった2022年の展覧会でしたが2023年も楽しそうな日本美術展覧会が沢山あります。

どんなドラマが生まれるのか今年一年じっくり楽しんでいきましょう(^ ^)

 

2023年冬、注目の日本美術展覧会 番外編

以前、この冬、注目の日本美術展覧会をご紹介いたしました。

 

そこでは紹介しきれなかった注目の展覧会を一挙にご紹介させていただきます。

 

創立150年記念 特集 戦後初のコレクション 国宝「松林図屛風」


会期: 1月2日(月・休)~15日(日)
地域: 東京
会場: 東京国立博物館 本館7室

東博で毎年正月から行われる恒例企画で長谷川等伯の松林図屏風が本館7室で15日まで展示されます。

国宝展では4つある期間の第一期間(10月後半)でしか見れなかった作品なので見逃された方は是非この機会に。

 

初春を祝う-七福うさぎがやってくる!


会期: 1月2日(月・祝)~2月4日(土)
エリア: 東京
場所: 静嘉堂@丸の内 in 明治生命館

 

静嘉堂文庫美術館移転企画vol.2.ではなんと再び曜変天目茶碗が展示される大盤振る舞い!

曜変天目

 

その他、沈南蘋の兎を描いた作品や酒井抱一の絵手鑑の中の名品「富士山」、近代日本画の巨匠・横山大観の「日の出」など新年を飾る名品揃いなのでお見逃しなく。

沈南蘋「梅花双兎図」

沈南蘋「梅花双兎図」

 

酒井抱一「絵手鑑・富士山」

酒井抱一「絵手鑑・富士山」

 

横山大観「日之出」

横山大観「日之出」

 

永田コレクションの全貌公開〈一章〉 北斎-「春朗期」「宗理期」編


会期: 2月3日(金) ~ 3月26日(日)
エリア: 島根県
場所: 島根県立美術館

 

葛飾北斎の研究家として有名な永田生慈(1951-2018)が生前に地元の島根県立美術館に寄贈した多くの北斎作品を数年かけて各時代ごとにご紹介する展覧会企画。

北斎は使われていた画号によって作画時期を分ける事が出来るのですが第一弾は北斎のキャリアの初期にあたる『春朗期』と『宗理期』です。

春朗期は役者絵の大家である浮世絵師・勝川春章に弟子入りしていた時期で非常にバラエティに富んだ作品群が多い時期。

まだ荒々しい才能の北斎の最初期の作品群と唯一のこの時期の肉筆画である赤い鍾馗図が見所です。

 

宗理期は『宗理美人』と言われたスラっとした全身像と瓜実顔が特徴的な美人画が見所です。

 

以前、北斎のこの時期をまとめた動画がございますのでよかったらご参照下さい。

 

ちなみに上記の動画の参考図書として読ませていただいたのも永田生慈の本でした。

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県外不出のお宝コレクションを是非、島根でご堪能下さい。

 

黄金色の輝き、金箔と金泥 特集展示/横山大観と富士山


会期: 2022年11月30日(水) ~2023年2月5日(日)
エリア: 大分県
場所: 二階堂美術館

 

日本美術で金は切っても切れない程よく使われる素材。

金箔で貼る場合もあれば金泥で塗る場合もあったり、截金で装飾したりなどその用途は幅広いです。

今回はそんな金を効果的に用いた作品にフォーカスした展覧会で近代日本画壇の重鎮達の作品が勢揃い!!

横山大観、木村武山、川合玉堂、村上華岳、前田青邨など。

特集展示の横山大観の富士作品の充実ぶりにも注目です。

 

 

甲斐荘楠音の全貌―絵画、演劇、映画を越境する個性


会期: 2023年2月11日(土・祝)~4月9日(日)
地域: 京都
場所: 京都国立近代美術館

 

甲斐荘楠音は最近知名度を上げている日本画家。

そのきっかけとなったのが2021年に東京と大阪で行われ人気の展覧会だった『あやしい絵展』。

作品がパンフ一面に使われ、その異様な雰囲気の画風に注目が集まりました。

「あやしい絵展」のパンフはこちら。

 

そして満を持して行われるのが今回の「甲斐荘楠音の全貌」展。

 

岸田劉生に『デロリとした絵』と評された暗い色調のグロテスクな女性表現は彼独特の画風でインパクト大。

画家であると共に、映画業界などでも活躍した多彩な甲斐荘楠音の全体像を紹介する展覧会なので是非、お楽しみ下さい。

2023年7月1日(土)~8月27日(日)に東京ステーションギャラリーで巡回展が行われる予定ですので東京の方もお楽しみください。

 

棟方志功展


会期: 3/18〜05/21
地域: 富山
会場: 富山県美術館

世界的版画家・棟方志功の生誕120年を記念しての大規模展。

青森、東京、富山と棟方志功が深く関わった地の3つの美術館(富山県美術館、青森県立美術館、東京国立近代美術館)が協力して企画される本展は注目度大。

こちらは巡回展にもなってまして青森県立美術館では7/29~9/24、東京国立近代美術館では10/6~12/3。

 

 

CEO Message

あなたと掛軸との懸け橋になりたい


掛軸は主人が来客に対して季節や行事などに応じて最も相応しいものを飾り、おもてなしをする為の道具です。ゲストは飾られている掛軸を見て主人のおもてなしの気持ちを察して心を動かす。決して直接的な言葉や趣向ではなく、日本人らしく静かにさりげなく相手に対しておもてなしのメッセージをおくり、心をかよわせる日本の伝統文化です。

その場に最もふさわしい芸術品を飾り、凛とした空間をつくりあげる事に美を見出す・・・この独特な文化は世界でも日本だけです。

日本人が誇るべき美意識が詰まった掛軸の文化をこれからも後世に伝えていきたいと我々は考えています。



代表取締役社長
野村 辰二

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会社概要

会社概要

商号
株式会社野村美術
代表取締役
野村辰二
本社
〒655-0021
兵庫県神戸市垂水区馬場通7-23
TEL
078-709-6688
FAX
078-705-0172
創業
1973年
設立
1992年
資本金
1,000万円

事業内容

  • 掛軸製造全国卸販売
  • 日本画・洋画・各種額縁の全国販売
  • 掛軸表装・額装の全国対応
  • 芸術家の育成と、それに伴うマネージメント
  • 宣伝広告業務
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