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越後三十三観音霊場 納経軸の掛軸表装依頼
全国には色々な観音霊場があり、その中のいくつかでは集印を行っており霊場集印軸(納経軸)をされる方もいらっしゃいます。有名所では西国、秩父、坂東がそうですね。弊社では出雲三十三観音霊場の軸装も承った事がございますが今回は「 越後三十三観音霊場 」の軸装依頼をお受けいたしました。
以前、越後三十三観音霊場の納経帳を屏風に仕立てたのをご紹介いたしましたが今度は軸装です。こちらが越後三十三観音霊場の納経軸のまくりです。
こういった全国区ではない霊場集印軸を表装する際に一番気をつけないといけないのは「色止め」作業です。表装をする際には水を大量に使う為、膠が効いていない寺院の部分は滲んだり墨や朱肉が広がったりしてしまいます。これを防ぐ為に「色止め」という墨と朱肉を定着させる作業を行います。1回の色止め作業で綺麗に止まれば良いのですが、なかなか止まりにくい(膠が全く効いていない)場合もあるので複数回行い少しずつ定着させていく事が大切なので非常に時間のかかる作業になります。
霊場集印軸の肌裏打の様子はこちらをご参照ください。
越後三十三観音霊場 納経掛軸 完成
こちらが完成した 越後三十三観音 の掛軸です。無事に色落ちがする事もなく軸装する事が出来ました。
今回は太巻仕様で箱書の方も弊社の契約書道家の方に書いていただきました。
全国には様々な霊場がございます。もしかしたらこの記事をご覧になられている皆さんの家のご近所にも札所があるかもしれませんので一度調べてみても面白いかもしれませんね。
興味がある方は霊場巡りをしてみるのも楽しいかもしれません。掛軸表装のご相談は是非弊社までお問い合わせください。
掛軸の歴史について知りたい方はこちらの動画をどうぞ