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きつい折れやシワが発生した掛軸の修理 | オーストラリア
掛軸の修理で多いご相談は折れやシワに関する内容です。
掛軸はしまう時に巻いて保管します。
コンパクトに収納出来、持ち運びに優れている反面折れやシワが発生しやすいという弱点もあります。
軽い症状であれば気になりませんがひどくなってくると鑑賞の妨げになるだけではなく掛軸の損傷にもつながるので早めの修理が必要になります。
今回はそんな折れやシワが発生した掛軸の修理をオーストラリアにお住まいの男性のお客様からご依頼頂きました。
以前より弊社をご利用くださっているお客様で今回も新たなご依頼を頂戴でき嬉しい限りです。
こちらがご相談いただいた掛軸です。
随分と酷い折れが発生しているのがわかりますね。
これを放置しているとここから作品が裂けてしまうので、裂ける前に修理を行う事が出来てなによりです。
修理工程
今回の大まかな再表具のオペレーションの流れは以下です。
色止め (薬剤で絵具を定着。)
↓
作品解体 (古い裂地や軸棒などの取り外し。)
↓
旧裏打紙を除去 (作品の裏側から旧裏打紙をめくって除去。)
↓
洗浄 (薬剤を用い、出来る限り綺麗にします。)
↓
再表具 (お客様のご要望の裂地で掛軸に仕立てていきます。)
こちらが修理を終えた掛軸です。
発生したきつい折れも回復しました。これなら気にならずに作品を鑑賞する事が出来ますね。
こちらはお客様のご自宅でお飾りいただいている写真です。
新しい命が吹き込まれたこの掛軸がオーストラリアの地で楽しんでいただけているのを想像すると嬉しい限りです。
掛軸の折れやシワでお悩みの方は是非弊社までご相談下さい。