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フグの掛軸修理:オーストラリアからのご依頼
弊社では国内外から多くのお客様が掛軸の修理や表装を依頼してくださいます。
特に海外のお客様からは日本文化や美術への深い理解と愛情を感じさせるご依頼が多く、その一つ一つが私たちにとって大変光栄な仕事です。
今回は、オーストラリア在住のお客様からご依頼いただいたフグの掛軸修理のエピソードをご紹介します。
ご相談の経緯
お客様はすでに何度か弊社に掛軸の修理を依頼してくださっており、今回も次のプロジェクトとしてフグの掛軸を検討されていました。
過去のお仕事はこちら。
お客様はメールの中で掛軸の本紙の状態を確認するために、掛軸を窓の前に飾り、撮影した画像を添付してくれました。
掛軸の本紙の状態はかなり傷んでおり、その修復には細心の注意が必要というのがすぐに確認出来ました。
修理の準備と進行
掛軸の本紙の寸法は29cm x 26cm、表装の寸法は38.5cm x 106cmと、比較的小型の作品でした。
再表装するにあたりお客様からは特定の色やデザインに関するご希望がありました。
「海を思わせる色合いで、光沢が控えめであり、カジュアルな雰囲気の裂地」をお望みで、現在の表装で使用されている淡い色(クリーム色や白色)は避けたいとのことでした。
これを受けて弊社は数種類の裂地サンプルを準備し、お客様に提案しました。
その後、お客様は好みの裂地を決定され、「一文字落し」と桐箱のオプションを希望されました。お客様との細かなやり取りを通じて、修理を順調に進めることが出来ました。
修理の完了とお届け
お客様のご希望通りの掛軸の修理、仕立替が完了しました。
掛軸には新たな生命を吹き込まれフグからも生命力を感じる事が出来るようになりました。
掛軸が無事にオーストラリアのお客様の元に届いた際、次のような感謝の言葉をいただきました。
掛軸の素晴らしい仕事をありがとう。今回も結果にとても満足している。裂地に関するあなたの提案はインスピレーションを与えてくれました。
私たちにとってお客様が満足し、喜んでいただけることは何よりの喜びです。このような反応をいただけることで、私たちの仕事の意義を改めて感じることができました。
次なるプロジェクトへ
修理が完了し、お客様から感謝のメールを受け取った後、私たちは次のプロジェクトについても話し合いを始めました。
お客様はフグの掛軸修理の成功を受けて、さらに多くの作品を修理・保存することを希望していらっしゃいました。弊社もお客様との信頼関係をさらに深め、今後も期待に応えるべく、最高のサービスを提供していきたいと考えています。
これからも国内外のお客様に対し、最高の品質で掛軸の修理・表装を行い、日本の美を未来へと繋いでいくお手伝いをしてまいります。